先日、とある場で『海のはじまり』というドラマの話題になりました。私は普段テレビを見ない(持っていない)のであまり話についていけなかったのですが、いつも観ている方によると、こちらのセットは「生活感があるのにすっきり見える」のだそう。
「生活感がありつつも、すっきり」って、結構理想としている方が多いのではないでしょうか?
そこで、こちらのドラマの中でいちばんモノが多い「夏くん」のお部屋を、インテリアコーディネーター的目線から解剖して「すっきり見せのヒント」をあぶり出してみました。ただ、あくまでも個人的な考察ですので、それをご理解いただいた上でお読みください。
このアングルから見ると本当にモノが多い!ですが、確かにそこまで不快感は感じませんね。
まず、気づいたのが共通点を持ったモノが点在していること。
金属、木、紙(本)、そして植物が部屋のあちこちに分散していますよね。例えていうなら、部屋全体が「迷彩柄」のような感じになっていると感じました。
ある意味、これはこれで統一感があるというか、バランスが取れているんだと思います。モノは確かに多いけれど、自己主張してくるモノがないんです。つまり、目につく「ごちゃっと」要素がなく、全てが馴染んでいる感じ。
スッキリ見せるにはとにかくモノや色を減らさないと……と考えがち。でも発想を変えて、部屋全体を迷彩っぽくしちゃうという方向性、つまり軸になる素材や色を3〜5つくらいに絞って、それを部屋全体に散らしていくという方法もアリです。複数箇所に同じ色や素材を使うことで、全体としてみたときに特定のモノが悪目立ちすることなく馴染んでくれるようになります。
2つ目は、インテリアグリーン(観葉植物)があること。
本当に不思議なのですが、植物が室内にあるだけで一気に部屋の中がパッと明るくなり、スッキリ感を感じられる空間になります。できれば本物の植物のほうが空気清浄効果もあるのでおすすめですが、お世話が難しい、あるいはお子さまやペットが倒してしまったり誤って口にしてしまったりするのが怖い場合にはフェイクグリーンでも構いません。試しにお部屋に植物を飾ってみてください。
出典:Screenshot 「海のはじまり」第10話より(一部編集)
ちょっと雑な編集ですが、上の写真から植物を消すとこんな感じ。植物があるだけで無機質な部屋がぱっと明るくなり、居心地の良さそうなお部屋に見えませんか?
3つ目は、床が見えていること。
棚にはぎっしりと本や雑貨が詰まっているのですが、実は床にはモノが散乱していません。
些細なことかもしれませんが、床が見えている面積が広ければ広いほど、スッキリとした印象を与えます。
床にモノが散乱しないようにするのに最も効果的なのは、モノたちの住所(定位置)を決めること。そうすることで、一時的には部屋が散らかってしまうことがあっても、ささっと片付けられるようになります。
ちなみに、住所不定のモノを一度床に置き出すと、「ここはモノを置いていい場所だ」という認識が生まれ、気づいたら足の踏み場がないという状況になってしまいがちなので要注意です。
確かに、生活感のない空間の方がモノが少ない(隠されている)のでスッキリ見えやすいところはあります。でも、生活感があっても、モノが多くても、ちょっとした工夫でスッキリ感を得られる空間にすることは可能です。今日ご紹介した中で、できそうなものがあれば取り入れてみてください!