日々の暮らしの基盤となる自分のお部屋。
快適に過ごせることはもちろんだけど、自分にとって大切なことを感じられる・意識しながら生活できる場となるように、ちょっとした工夫を散りばめています。
その1つをご紹介しますね。
突然ですが、このような地面を見たことがありますか?
これは、バールレ=ナッサウ(Baarle=Nassau)という町にある、オランダとベルギーの境界線(国境)です。
この町はちょっと変わっていて、街の中にオランダとベルギーの領土が入り混じっているんです。
しかも、この町で暮らす人々の発想がなかなか面白い!
こんな感じで国境の上に家を建ててしまっています(笑)。
一応、玄関がある方の国が家の住所になるようです。どちらもシェンゲン圏(EU)のため移動に制限はありませんが(パスポート不要)、国が違うと税金面などで違いがあり、ベルギー側のガソリンスタンドの方が安くて行列になる、ということはよくあるそう。
私はかねてより、人を国籍で分けることやプライベートとビジネスに線引きをすることなど、暮らしの様々な場面に存在する「誰かが引いた境界線」に違和感を持つことが多かったんです。
だから、そういったものにとらわれずに生きていきたいっていう気持ちも人一倍強くて、この町の住人の方々ように軽やかに境界線をまたいで自分なりの線を引けるようになりたいという思いを、このように部屋で表現してみました。
敷居の真上にカウンターテーブルを置いて、ダイニングとして使っています。ついでに、鴨居からバーライトを吊り下げました。
自分なりの意図があってやっていることとはいえ、普通はこんなレイアウトしないだろうし、「敷居は踏まずにまたいでね」というマナーに反することへの葛藤などもありましたが、毎日「境界線や常識を超えていこう」というリマインダーになってくれています。
皆さんにもきっとあると思うんです。譲れない思いや、心の奥底にしまい込んでいる思い出。こだわり。
そんな宝物を日々感じられるお部屋にしてみませんか?
インテリアというとつい他人のお部屋の写真ばかり見てしまいますが、まずは自分のアルバムを見返して、自分がどんな想いや思い出を大切にしたいのかを見つめ直すところから始めてみてください!