世の中は実に多くのものやサービス、情報で溢れています。
目移りしてしまった経験は誰しもが一度はあるのではないでしょうか?
「選択肢は多ければ多いほど良いわけではない」なんてこともよく耳にしますよね。
または、どれも今ひとつだな、ここがもう少し〇〇だったら…という場合もあるでしょう。

私も優柔不断だし、見ているうちにどれが本当に自分が必要としているものなのか、迷子になってしまうこと、昔はよくありました^^;

そんなときに意識してみて欲しいのが、与えられた選択肢の中から「選ぶ」のをやめること。

一旦、自分の外にある情報を排除して、自分の心にある欲求と向き合ってみてください。
いろんな条件を一旦無視して、純粋に「こんなのがあったらいいな」というものをイメージしてから、それに合ったものを探す or 見つからなければ作ってしまえばいいのです。

「こんなのがあったらいいな」から生まれたもの

今から4年前に、とにかく試座を重ねて購入したアーロンチェア。

「ペリクル」というメッシュ素材のお陰で、体圧が分散される&熱がこもらないので快適なのですが、唯一の難点は、通気性が抜群すぎて冬は寒いこと(笑)

こんな時、皆さんならどうしますか?

以前の私なら、何も考えずにAmazonや楽天で座布団やブランケットを探し始めていたと思いますが、今の私はどんなアイテムだったら100%自分の希望を満たせるのかをまず考えます。

・暖かいけど熱すぎない
・ペリクル(メッシュ)素材のメリット(体圧分散)を妨げない
・アーロンチェアの外観を大切にしたデザイン

そして条件が出揃ったところではじめて、希望の商品があるか検索。

探していくとヒーターが内臓されているものや、アーロンチェア専用の商品もあり「こんなのがあるんだー!」と興奮したのですが、どれも今ひとつしっくりきませんでした。

ならば、作るしかない!と思い、今度はどうしたら希望を実現できるのかを考えます。

・暖かいけど熱すぎない
 → 電気ではなく天然素材(ウール、ダウンなど)を使う

・ペリクル(メッシュ)素材のメリット(体圧分散)を妨げない
 → できる限り厚みが薄いもの

・アーロンチェアの外観を大切にしたデザイン
 → 全体的な色は椅子に合わせてライトグレー、純正品のようなピッタリサイズのもの

この条件を叶えるには……と脳内会議を開催し、出た答えが上の写真のように、「タフティング」というラグ織りの技法でチェアラグを作ることでした。この方法なら、ウールの毛糸が使えるし、厚みもそこまでない。しかもデザインも自由自在です。


(少し補足しておくと、欲しいものが出てきたときのために、日頃から世の中にどんな技術や方法、商品が存在するのかには目を光らせています。アイデアは完全に「0 → 1」で生み出されるわけではなく、何かと何かを掛け合わせて生まれるものだからです。)

完成品がこちら。

自分の心と向き合い、欲しいものを明確にする「言語化力」。
さらに、そこから自分の希望を叶えてくれるものを生み出す「発想力」。
そして、実際にそれを形にできる「創造力」。

私がお部屋づくりを通して得られた1番のものって、実はこの3つの力だと思うのです。
既存のものから「選ぶ」のではなくて、自分の欲求から新たに「創る」こと。
ちなみに自分で形にするのが難しいものであれば、得意な方を探してお願いするのもOK。
これも解決策を作り上げる立派な創造力です。

今では当たり前の習慣のようになっているので、身の回りのものはほぼ100%理想どおりのものを手にできています。
さらにこれができると、自分の暮らしも自分でデザインできるようになります。かなり応用が効くスキルと言えるでしょう。そしてこれが、自分の価値観や理想が反映された「自分が主役の人生」を生きることにも繋がっていくのです。